志摩賢二

現場の情報と、社会全体の情報を共に見ながら考える
“二刀流”で、独自性、優位性が生まれます。

02 情報データマネジメント部門
調査コンサルティング部門
志摩賢二 サステナビリティエキスパート13年

経歴
2000年頃まで、横浜研究所にて石油化学関連の触媒、プロセス開発に従事
2001年以降、知財戦略と環境影響評価を並行して検討
2008年からMCHC(現MCG)にてSustainabilityマネジメントに従事
2013年からMCRにて、化学プロセス、LCA、Sustainability関連などの調査に従事
得意領域
Sustainability全般。気候変動/GHGマネジメント、サーキュラーエコノミー、それらに関する事象や情報開示。
実績
MCGグループ及び外部機関向けに、
  • LCA、Scope3評価
  • Sustainabilityマネジメントのための各種調査(plasticリサイクル、GHGマネジメント、ESG動向など)
  • 時事問題を中心とした社会動向調査等

サステナビリティは企業の死活問題です。

志摩賢二
脱炭素、循環型経済など、
しっかりした評価なしには
社会での存続が厳しくなる

最近の社会状況は、脱炭素や、循環型社会など、環境を念頭に置いた言葉が当たり前になってきました。個々の事業の場合も、会社全体を考える場合でも、これらの事象の影響を考えずには済みません。その表れとしてTVでも「SDGsの歌」なるものをやるようにまでなっています。もちろん、SDGsは持続可能な開発目標で、2015年に国連で決められた17種類の目標ですが、学校教育なども含め社会への浸透が進んできていますから、これからの若い世代にはもはや常識になるかもしれません。
エネルギーを多く消費し、プラスチックを大量に生産している化学産業はその影響を特に強く受ける産業です。その中にあって、事業や組織全体の社会への影響をどう考えるべきか。従来は自分の事業の中だけを考えていればよかったのですが、現在は自分の製品・サービスの全バリューチェーン、あるいは全ライフサイクルに亘って、どのような影響があるかを考える必要が出て来ています。そうでないと、顧客から、あるいは最終的に社会からノーを言われかねません。会社として考える場合でも、株主や投資家から財務的な因子以外(最近はESGともいいます)がどうであるかを問われるようになっています。サステナビリティ的な要素が社会を動かすことが多くなってきていることから、事業が長期的にどうなるか、あるいはどうすべきか、ポートフォリオ的な側面を考える上でも、必須になってきました。
私は元々はモノつくりの技術開発に携わっていましたが、世紀の変わり目の頃、重要なのは「モノの作り方」ではなく、地球にできるだけ負荷をかけない「モノの使い方」であり、そのための社会の態様の変革だと考えるに至りました。それ以来、LCAという「モノの全ライフサイクルでの環境影響を考える評価」に関わっています。現在は三菱ケミカルリサーチのサステナビリティエキスパートとして、脱炭素や循環型経済、さらに廃プラスチック問題などの今の重要課題に、この評価手法を通して向き合っています。国際的にもこれら重要課題に関して多くのイニシアティブが動いており、その中で、自分たちの製品の競争力はどうか、また種々のソリューションを提案にするにしても、その妥当性をどう主張していくか、などその重要性は高まるばかりだと感じています。

「俯瞰的視点と各論的視点の統合」が重要です。

志摩賢二
立場で必要なことは変わります。
俯瞰に基づく方向づけも、
個別的評価の深掘りも必要です。

LCAでは環境影響を評価するのですが、最近は、環境だけではなく、社会的側面への影響を考える必要も出て来ています。例えば人権問題や労働環境の配慮、人の育成などです。また、生物多様性などの場合には、企業が環境に与える影響だけではなく、逆に、企業が環境に依存している、という考え方で臨む必要がある場合もあります。このように、対象とする領域は、常に変わっていきますし、その領域に特有の新しい国際基準などが提案されていたりします。
例えば気候変動に関しては、TCFD*1やSBT*2などグローバルに支配的になりつつある動向を踏まえて考える必要があります。また最先端のソリューション技術も、それらを開発する各企業が発表する他に、IEA*3やICEF*4など数多くの組織によっても分析・比較され、これらの情報は日々膨大に蓄積されていきます。これらの情報は、開発や事業を推進する方々も自ら追いかけられているのですが、十分活用しきれていないのが現状ではないでしょうか。そこに私たちが提供する俯瞰的な情報、及び深掘りした評価などと合わせて判断することによって、より有益なものとすることができます。
社会とそのシステム全体のサステナビリティという俯瞰的視点と、個別の事象を解決する個々の技術やソリューションの各論的視点を組み合わせることが重要です。それが革新的ビジネスモデル戦略の視点や、環境配慮設計などの個別的戦術に繋がります。世の中の変化は早く、MaaS*5などのサービス化への動向も相まって、モノ作り産業にとっては本当に大変な時代です。その中で、技術各論にも一般情報にも通じた私たち、三菱ケミカルリサーチの強みを生かした種々の支援をしていきたいと考えています。

  • TCFD Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース
  • SBT Science Based Targets:パリ協定(世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準「Well Below 2℃」に抑え、また1.5℃に抑えることを目指すもの)が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標
  • IEA International Energy Agency:国際エネルギー機関
  • ICEF Innovation for Cool Earth Forum:技術イノベーションによる気候変動対策を協議することを目的とした会議
  • MaaS Mobility as a Service:自動運転やAIなどのテクノロジーを掛け合わせ、従来の交通手段やサービスも統合した次世代の交通サービス
情報データマネジメント部門、調査コンサルティング部門
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